いただきたいこと |
繁殖は成功ばかりとはかぎりません。
ある日の話 病院に行ったとき、お友達が小桜とオカメを連れてきていました。 小桜の子はまだ3ヶ月ぐらいでとてもかわいい子でした。 ですがオカメだけ飼っている方だったので、なんで小桜をと不思議に思って 事情を聞いたら、その子はなんと捨てられていたんだそうです。 お友達は静岡県の小鳥品評会に寄った帰り、畑で仲良くたわむれている2羽の小桜を 見つけました。はじめは「野生化した子達だろうか?」と思ったそうです。 が、たまたまご近所の方がいて、その方のお話しだと「カラスに食べさせて処分する ために捨てていく人がいる。」とのことでした。 お友達が不憫に思って保護しようとしたところ、1羽は逃げてしまったが、1羽は 無事保護。そして・・・保護した子をよく見てみるとその子は片目がありませんでし た。怪我でなくした訳ではなく、生まれつきなかったのです。逃げたもう1羽も足が 不自由だったそうで、どうやら奇形だったから畑に捨てられていたらしいのです。 多分、品評会に参加した人が捨てていったのだろうと言うお話でした。 繁殖は成功するばかりではありません。 とてもおもしろい色をした子だったので色や数を出すために無理な繁殖をしたのかも しれません。 そんな中、産まれてきて、親に任せている間に死んでしまうならある程度は自然の 摂理とも思いますが、ちゃんと3ヶ月まで成長した子は、今後も人間の配慮一つで 普通に生きていけます。自分で作り出したくせに奇形だからとそうやって捨ててし まう人に私は深い怒りを覚えました。 その子は、餌もまともに与えられてなかったらしく、生後3ヶ月ぐらいなのに保護 した当初は29gと言う信じられない体重だったそうです。(小桜の体重は40〜60g ぐらいでしょうか。)今はお友達のお陰で30g代までなったらしいのですが・・・ 。本当にむごい目に遭っていたんだと悔しくなりました。 でも・・・こういった人たちがいるからこそ、私たちが珍しい色の鳥に会えるという 事実もあります。この捨てた方を捜し出して責めたって変わらない現実。 私が考えていただきたいのは、こういった方たちを反面教師として、こう言った子が 出た場合のことを考えてから、繁殖に取り組んで欲しいということなのです。 繁殖は生と死の狭間です。 親鳥は命をかけて次の命をはぐくみ、ヒナも卵から孵化し育つまでに数々の命をかけ た試練があります。そうやって数々の試練をくぐり抜けて授かった命には、飼い主は 最後まで責任を持つべきだと私は考えます。 その子がその命を精一杯全うするまで。 もし、育てられないのであればその手を汚す覚悟ぐらい持つべきだと強く思います。 最後まで命に責任を持つ。それが出来ないのなら繁殖なんてしなければいい。 どんなに健常の親でも奇形の子が出る可能性はあります。 繁殖にはそう言う暗いリスクも伴います。 |